創立50周年記念事業をふりかえって

2017年11月に『プロジェクト50準備会議』を発足、翌年6月に『プロジェクト50実行委員会』を立ち上げ、創立50周年記念事業に丁寧に取り組んでまいりました。その4年余りという長い期間 「子どもとおとなが文化芸術を真ん中に集える場所を作ろう」を合い言葉に、計画・準備を 進めました。プレ年の2020年11月の特別公演『茂山狂言へ!そろりとまいろう!!』を皮切りに高知市のあちこちでさまざまな場を作り、ドキドキ・ ワクワクを広げていく事業を行いました。

しかし、この4年余りは決して順風満帆ではありませんでした。 2020年の春、さぁこれからという時に未曾有の新型コロナウイルス感染症の波が始まり、イメージしていた通りの実施ができなくなりました。そんな逆境の中、「やり遂げよう!自分たちのできる形で!」と、それぞれの熱い想いを胸に話し合いを重ね、感染症対策を徹底し、入場者数を制限するなど実施に向けて工夫をしました 。

開催がちょうど感染者数の少ない時期にあたるなど運も味方し、創立50周年記念事業全てを実施することができました。大勢が集う会場を見て、「子どもとおとなが文化芸術を真ん中に集える場」を求めている方はたくさんいると胸が熱くなりました。

今までにない新しいことにもチャレンジをしました。 広報活動ではSNSを活用し、YouTubeやTwitterの発信を試みるなど創立50周年記念事業 を広くPRすることに一役買いました。また、創造団体からいただいた動画のメッセージには、私たち自身が多くの勇気をもらい、実施に向けて背中を押してもらいました。

創立50周年を記念したさまざまなグッズの作成・販売にも着手しました。特に、高知市立高知特別支援学校とコラボしたコーヒーは、大ヒット商品となり、会員だけでなく一般の方にも手に取っていただき、劇場PRもできたと思います。30年ぶりに発行した記念誌は、昔からの会員の方も発行を喜んでくださいました。

フェス会場を飾った「土佐チルアート」「撮影コーナー」「50周年記念の木」「劇場年表」は、その後に開催された他の50周年記念事業会場でも飾られ、長く50周年を盛り上げてくれました。

オペラ『森は生きている』のチケット販売では、共同主催の高知県立県民文化ホールのご協力でローソン・生協・クンペル高知、他にも高知 蔦屋書店、TSUTAYA中万々店など今までにない取扱先を導入し、 高知市内外の多くの方が購入しやすい環境を作り、たくさんの方にご来場いただくことができました。

資金面では、赤い羽根共同募金(目標金額100万円達成!目標達成は高知県では初だそうです。)、公益社団法人企業メセナ協議会『2021 Arts Fund』、ひと口500 円の50周年記念事業応援ファンドに取り組み、企業やOBなどたくさんの方々から寄付をいただきました。こども劇場の応援団が多くいらっしゃるのを感じ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

事業を進める中、時には上手く気持ちを伝えられず、意見がぶつかったり、まとまらなかったり、次から次へとやることが押し寄せてきて前が見えなくなり押しつぶされそうになったり、しんどい時もありました。 しかし、そんな時も、励まし合い・助け合い・協力しながら乗り越えてきたように思います。 それぞれが回を重ねるごとにスキルアップし、自発的に動けるようになっていくのも 実感しました。事業が一つ終わるごとに「楽しかったね」「良かったね」と、仲間と一緒に感動を分かち合える時間はとても幸せでした。

この創立50周年記念事業の活動を通して、「高知市こども劇場」の持つ集団の力を感じました。一人ではできないことも一緒に前を向く仲間と力を合わせれば成し遂げられる。 観劇するだけでは分からない、この貴重な体験をこれからの活動にもつなげていきたいです。

プロジェクト50実行委員会:委員長 岩原 緑

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