高知市こども劇場が創立50年目を迎えた年の2020年秋。
赤い羽根共同募金の助成を受け、大蔵流狂言方茂山千五郎家を迎え、狂言の上演、小学校の授業と連携したワークショップ、三世茂山千之丞氏と文化芸術の未来を語る講演会を行いました。
高知において長年、子どもの文化芸術を支えてきた団体として、創立50周年を祝うだけでなく、更に世の中と繋がりながらその先の未来を目指しました。実行委員会制を採り実施しました。【共催:公益財団法人高知県文化財団 】
来高された茂山千五郎家の皆さん
茂山千五郎家は、江戸初期から続く京都の狂言師の大蔵流の名家。
九世 正乕の代より代々当主は千五郎を名乗り、隠居すると千作を名乗ります。現在の当主は、十四世千五郎正邦(1972年生まれ)。
初代茂山千五郎は大老・井伊直弼に見出され、彦根藩お抱えの狂言師となりました。明治維新の混乱期にも芸を守り抜いて、京都狂言会の第一人者となり、初世千作を名乗ります。二世千作は今日の「お豆腐狂言」を広め、三世千作(人間国宝)は、上演曲の台本を整備し『六義之書』を書きました。
四世千作(人間国宝)と二世茂山千之丞は戦後、歌舞伎や新劇など新しい演劇活動に積極的に参加し、狂言師がジャンルを問わず活躍できる時代を開きました。また二人は、全国を回って小中学校などで学校狂言を積極的に行い、日本伝統の舞台を若い世代にも広めました。五世千作、二世七五三(しめ)、あきらたちで「花形狂言会」を結成し、新作狂言や千年ぶりの復曲にも取り組み、狂言の大衆化に力をそそいできました。
茂山千五郎家の狂言師たちは誰からも愛される「お豆腐主義」を家訓に、狂言はもちろん、テレビに舞台に多方面で活躍しています。
小学校の授業と連携したワークショップを行いました!
高知市立三里小学校と連携して、6年生を対象に狂言ワークショップを行いました。
現在、一部の6年生の教科書には「附子」が取り上げられています。伝統の重さから難しいものと捉えられがちですが、本来狂言は笑いの芸能。字面だけでは伝わりにくい楽しさ、軽快さ、魅力を生で子どもたちに伝えること、またコロナ禍における子どもたちを元気づけたいと企画いたしました。
学校と協力し、ワークショップ前の事前学習、2時間の授業コマを用いてのワークショップを行いました。
講師は三世茂山千之丞氏。 茂山千五郎家では明治時代後期から、狂言の普及・発展を目的として、全国の学校で「狂言鑑賞教室」を実施してきました。戦後、欧米文化一色であった国内において、いち早く日本の笑いの文化を学校ヘ発信したのも茂山千五郎家です。 これほどの適任は見当たらないでしょう。
子どもからおとなまで楽しめる本格狂言を上演
■日 時:11月14日(土)
昼の部「入門編」15:00開演
主に小学生以上向け (4歳から入場可)
夜の部「中級編」18:30開演
主に中学生以上向け (小学生から入場可)
■場 所: 高知県立美術館 能楽堂
■入場料:おとな3,000円
子ども1,000円(4歳から高校生)
※有料託児あり 要事前申込
茂山千之丞氏と文化芸術の未来を語りました!
■日 時:11月15日(日) 10:00~11:30
9:45開場
■場 所:ザ・クラウンパレス
新阪急高知 松竹の間
■参加費:無料 定員有/ 要事前申込
(前日公演の半券をお持ち下さい)
※託児なし
高知市こども劇場創立50周年記念事業
狂言実行委員会