きっかけは2007年、高知けいばの赤岡修次騎手が、地方競馬代表として参戦した中央競馬の「ワールドスーパージョッキーズシリーズ」で3位入賞の快挙をあげ、その時の賞金をもとに高知市立養護学校(現在の高知市立高知特別支援学校)の生徒さんとそのご家族を高知市こども劇場の年末公演の舞台観劇に招待する活動を始めたことでした。
初めは赤岡騎手ひとりで始めた活動でしたが、年を重ねるにつれ、赤岡騎手に賛同し寄付をともにする仲間も少しずつ増え(赤岡騎手を含め4名)、招待先に高知県立障害者スポーツセンター利用の児童とご家族も加わりました。赤岡騎手は現役中に1,000人を招待するのが夢だと語ります。
その寄付仲間のひとりに、南国市農家の吉本正仁さんがいます。吉本さんは「赤岡騎手がえいことしゆうがをもっと多くの人に知ってもらいたい、応援したい」と、2012年から自作の新米を提供してのPR活動を始めました。この新米には、赤岡騎手が「ファーストキッス」と名前をつけました。吉本さんは、PR活動だけでなく児童福祉施設や被災した岩手競馬を元気づけるためにも新米を提供し続け、その意気に感じて地元農家の仲間やJA高知県土長地区、南国市の消防署・消防団と稲作協力の輪も広がりました。
2013年から高知けいばの騎手会も立ち上がり、こども劇場の子どもたちとともに、吉本さんの田んぼでファーストキッスの田植えと収穫を行うようになりました。日頃より縁のある高知特別支援学校と高知聖園天使園へは、吉本さんと高知けいば騎手会と高知市こども劇場の三者で新米の寄贈を行っています。
新米「ファーストキッス」には、その存在をきっかけにたくさんの人たちがつながるよう、つながることで幸せが訪れるように願いがこめられています。
こども劇場の子どもたちにとってもこの活動を通じて、いろんなおとなと触れ合うこと、普段自分たちが食べているお米のことを知ることが良い学びになると考えています。