子どもとおとなが一緒に年4回、生の舞台(演劇・音楽・人形劇など)を楽しみます。定期的・継続的に観るので、舞台鑑賞(定)例会と言います。
2018年5月22日(火)19時開演、高知県立県民文化ホール(グリーン)にて
小学生以上例会「アラビアンナイト」が上演されました。
2年ぶりになる人形劇団むすび座の公演は、やはり圧巻の舞台でした。めくるめく展開はステージ上にとどまらず客席を巻き込んで会場全体がワクワクドキドキの中に取り込まれます。生き生きと豊かな表現力で、縦横無尽に躍動する人形達が魅せてくれた物語は、一緒に観たみんなに素敵なひと時を与えてくれました。貧しいけれども働き者の少年アミンは、謎の老人から渡された魔法のランプの魔人と不思議な腕輪を使って大金持ちになり、わがままで思いやりのない人間になってしまいます。王様の怒りをかい、何もかもを奪われたアミンは身ひとつとなり、勇気と知恵を発揮し、王様に仕える兵士のターヒルも味方につけ、この窮地に立ち向かいます。最後にはアミンと母のナシーム、友達のハッサンと元どおりの生活に戻りましたが、変わったのはアミンの心です。自分が変わる事で世界は大きく変わる、というその瞬間に観客みんなで立ち会いました。
良質の生の舞台を観る事で観客が深い感銘を受けるのは、観ているよりも体験しているに近い経験を得られるからではないでしょうか。
魔法のランプを与えた謎の老人の正体は何者だったのでしょうか。
最後にチラッと姿を見せた老人の笑みは、物語はいつでも何かしらのきっかけで始まり、その物語をどう終えるかは、やはり自分次第だという事を意味深に伝えている様に感じました。
観たものをどう受け取るかは人それぞれ、そしてその個人の感想をみんなで共有できる楽しみは、継続的に舞台鑑賞を続ける場所があるからこそだと思います。